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翌朝…
いつもの様に携帯のアラームで現実世界に引き戻される貴史…
『ウルセエナア…』
いつもの様に左手で携帯を探ろうとするも肘から肩にかけて全く動かないという異変が起きていた…
まさかこれが噂の金縛りってやつか?貴史は生まれて初めての体験に驚愕した。
しかし金縛りなら目を開けたら幽霊が居たって話しを聞いた事のある彼は、なかなか目を開く事が出来なかったがこのままではどうしようもないと観念し、カッ!と目を見開いた…
そこには
スヤスヤと心地よさ気に寝ている清美の姿があった…
『なんだ…よかった。』
幽霊でなくて安心したのもつかの間貴史は再び驚愕した。
『ウワアァァ!ま、まさか…』
貴史の叫び声にようやく清美は眠そうな目を開いた、貴史の顔から尋常でない汗がしたたり落ちるのを見た清美はおもむろに紙とペンを取り出した…
-おはよう。どうしたの?凄い汗だけど…-
貴史はまさかとは思いつつも清美に真実を確かめる事にした。
『あ、あのさあ。昨日の晩の事なんだけどさあ…俺、何かした?』
判決を待つ被告の心境ってこんな感じか?などと思いつつ清美の書いている紙をじっと見つめる貴史…
-何もありませんでしたよ?何かあってもよかったんですが…-
後半部分は置いといて、とりあえず校長の信頼を裏切らずに済んだ事にホッと胸を撫で下ろした…
しかしこんな状態が続けばいつそうなってもおかしくない。貴史は清美にこれからどうするのか尋ねた。
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