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『これが…清美、さんが狙われる理由?』
只今の時刻PM21時05分、清美の自宅である。もちろん母(校長)も一緒だ。
『KDSが今更何故…』
校長もまさか娘が狙われるとは思ってなかったらしく、さすがに動揺を隠しきれない様子だ。
『とにかくこんな危ない物は早く渡してしまいなさい。私が明日渡辺さんに連絡してみるから…』
親としては当然の意見だ。仮にこの鍵と引き替えに事件の真相を掴んだとしてもその後の保証は無い…清美も鍵を渡す事には反対はしないが、その後の安全を保証出来ない状態をなんとかする必要はある…
『その渡辺さんって人の連絡先俺に教えて貰えませんか?』
貴史の言葉に校長は驚いた表情で、
『どうするつもりなの?』
と問い掛けた…
『仮に校長…先生がそれを奴らに渡して果たして清美…さ、ん、の身の安全が保証されるとは思えません。誘拐しようとしてまで手に入れようとした物です。最悪口封じを考え殺される可能性もゼロではないと思います。でも鍵をこちらが持っている事を伝え、取引した方が無難だと思います。』
貴史の言葉を清美は頷きながら聞いていた。そしておもむろにペンを走らせた…
-私も同じ意見です。私達の所にこの鍵がある内はとりあえず命の心配は無い…向こうの出方を見てからでも遅くはないと思う。-
2人の真剣な態度に事の重大さに気付いた校長は、
『ちょっと待ってて…』
そう言って部屋を出て言った…
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