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『社長、笠木には向いていません、ここは私が…』
体格のいい男が社長を諌めようとした。
『伊藤、お前にはアメリカに飛んで貰う。指示があるまで観光でも楽しんでおけ…』
『しかし…』
伊藤と呼ばれた男はやはり不安を隠しきれない様子で食い下がった。
『心配するな。娘の方には森山も付けておく…これは笠木を試す為の試験みたいなものだ…奴がこの先使えるかどうかのな、
使えるなら良し、使えなければ…』
意味ありげな笑みを浮かべる社長を見て一瞬寒気が走るが同時に笠木から表沙汰になるかもという不安は拭い去れた。
『わかりました。ではアメリカで指示を待ちます。』
伊藤は一礼して部屋を出て行った。
『いずれは伊藤も…あの事を知っている人間は少ないに越した事は無い…』
社長は携帯を取り出すと先程話しに出た森山という男に何やら指示を出した…
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