殺してもいいですか

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「殺してもいいですか」 そう言って群がってくるのは、目を爛々と光らせた複数の男達。 刃物を持つ者、鉄パイプを持つ者、バッドを持つ者…がゾロゾロと私の周囲を取り囲む。   その男達の中に、包丁を手に持ち、爛々と私を見つめている男がいた。 へっぴり腰で身体は震えているのに、目だけは執念を表すかのように爛々としていた。   ゾッとしながらもその男に近付き、刃先を私の胸に近付けて、言った。   「いいよ。殺して?」   男はカッと目を見開き、涙を流しながら言った。 「愛してるって言ってくれ」   私は首を振って言う。 「愛してたわ。」 いつの間にか私も泣いてた。周囲の男達もいなくなり、2人きりの闇の中。   「過去形じゃ嫌だ」とだだっ子のように声を張り上げる。   私はただ、静かに言った。 「過去形よ。愛してたわ。でも今は、貴方よりも愛してる人がいるの。」   「両想いなのか」
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