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「ううん、フラれちゃったわ。でも…どうしてかな。今でも愛してる。かけがえのない人。だから…ダメなの。早く離れないと。私一人の考えで、縛り付けるなんてことあっちゃいけない。
だから、離れるし、貴方に愛してるって言えない。」
言った途端に男は泣き出した。
それはまるで。愛して欲しかったと、愛に貪欲な子供のようで。
背を撫でる事もせず、頭を撫でる事もせず。
歌を歌った。
歌いだすと男は子供のように丸くなって寝始める。右の背中に白、左の背中に黒の羽根が生え、目をつぶったまま宙に浮いた。
「愛してる」
飛び立って行く彼を追いかけることもできず、ただ1人立ち尽くす私。
頬には涙が流れていた。
―END―
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