信じてほしいなら、

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「聡君のトモダチにねー、すっごい面白くって、いい人がいるんだってー。今度、その人よんでいっしょにあそぼー」 「もう、ほんといいって」  うんざりした顔をしているのに、麻美はそんなのお構いなしで、岡本似の何とか君をすすめてきた。  そうやってまとわり付いてくる麻美をあしらいながら、止めていた足を動かす。正直言うと、ちょっと鬱陶しいけど、それでもきっと1人でいたら鬱々としていたから麻美が居てくれて少し助かった、かな。  そのあとは、コンビニでお菓子を買って、あたしの家へ。部屋で南への文句を口にしたり、また麻美の聡君ノロケを聞かされたり。  途中で、慎吾がお母さんからの伝言を言いに来て、麻美が慎吾に色目を使っていた。ちょっと、人の弟にまでそういう目を向けないでよ! 「慎吾君、前に会ったときより格好良くなったよねえー。そっけない態度とかちょっとタイプかも!」 「ちょっとー……やめてよ。てか、あの子、彼女いるんだから変な目を向けないで」 「えー」  いいじゃん、慎吾君とだったらあたし紗英の妹になれちゃうし、と冗談なのか本気なのかわからない笑顔で言う麻美に呆れる。  その日は、そうやってなんでもないことを話して、麻美はうちで晩ご飯を食べてから帰った。  帰りに、気にしちゃだめだよー、なんて気の抜けた声で笑いかけてくる。
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