信じてほしいなら、

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 意味がわからないって感じの顔をしていると、ユウカネーが男には見せないであろう鬼のようなすっごい顔で睨んできた。こわいから。 「あのさー、南君に何を言われたのか知らないけど。真に受けて調子に乗ってんじゃねーよ」  乗 っ て ま せ ん け ど。 「南君は、あたしのなの。手出さないでくれる? ブスのくせに、アンタなんてどうせからかわれてるだけだってこと自覚した方がいいんじゃない?」  ハッと鼻で笑われて、ちょっとキレそうな5秒前。  これって、前に焦ってあたしが千秋って子にやったことと同じこと?そう思って、すごい自分がやったことに後悔。性格悪すぎる。  こっちは絡まれて迷惑被ってる側だっていうのに、何その言い草。人を見下すような目で見てくるユウカネーととりまき3人に、なんか今、ガマンしていたものが、ぶつんっと切れたような気がする。  ただでさえ、こっちはあのバカ男のせいで苛立っているっていうのに。  一度視線を下に向けて、深呼吸をしてから、ユウカネーを睨みつけた。ユウカネーはあたしの視線に気付いて、不機嫌そうに顔を歪める。 「なによ」 「悪いけど、あたし、あんなしょうもない男にこれっぽっちも興味ないから。変な言いがかりつけんのやめてくれない? あんたのものなら、手当たり次第女に声かけんのやめさせてよ、こっちは迷惑してんの」  睨みつけたまま、そう言い返すとユウカネーはムカついたらしく、カッと顔を赤くさせた。ストレスの溜まったあたしの口はそう簡単に止まらない。 「大体さ、あたしに言う前にあんたの後ろにいるとりまきの女に文句つけたら? その子、前にうっれしそーな顔であんたの好きな南君と2人っきりで歩いてたよ」 「……志織、あんた」 「え、あ、あの……」  あたしの言葉にユウカネーは後ろに控えていた女の子を振り返って、射殺しそうな勢いで睨みつけた。  女の子は、小さい体をさらに小さくさせて俯く。ちらり、とあたしを睨んで。いやいや、あたしを睨むのはお門違いってもんでしょ。あんたにも手を出そうとしたあのバカを恨んでよ。
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