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「どうどう? 気に入った?」
「ねえ、麻美、これを本気であたしに勧めてんの?」
「え、あー……まあ、ちょっと見た目はアウトかなーっと思ったけどお……ほら、紗英、岡本君が好きだったんでしょ? だったら紗英的にはアリかなあっと思って」
「なわけあるか! ナシに決まってんでしょ! っていうか、岡本ここまでひどくないでしょ!」
「えー、似たようなもんだよ。ねえ、梨佳」
「うーん、まあ、似た系統じゃない? それに明るくって面白いっていってたし、紗英は見た目じゃなくって、中身でイイって思う人見つけたいんでしょ?」
じゃあ、文句言わないの、なんて言う梨佳。そんで、隣で、うんうんと頷いている麻美。
見つけたいっていうか、もうしばらく男はいいって言わなかったっけ、あたし。
話したら意外と気が合うかもよ!なんて言って頷きあっている2人から視線を手元にある携帯の画面へ。特に理由はないけど、イラッとする笑顔。
岡本と似たような系統……か?
絶対、岡本の方が何倍もいいって。あの2人はきっと藤嶋基準で考えたら、って感じなんだと思う。そりゃ、あの顔だけ男と比べたら、岡本もコイツも似たようなもんになるんだろうけど。
相手がコイツかと思うと、ますます家に戻りたくなる。歩くスピードを遅くすると、麻美と梨佳が、早く早く!遅れちゃうよ!と手を引く。
ゲーセンまでの道のり、何度ため息をついたことか。ああ、あたしの厄はいつまで続くんだろう。
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