信じてほしいなら、

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「ていうか、ユウカちゃんだっけ? あたし、その子に『あたしの南君に手を出さないで』って言われた上に、スタバで頭からコーヒーかけられたんだけど? それでも、他の子には言ってないっていうわけ?」  冷めた声で言うと南はあたしの言葉に目を見開いてから、顔を顰めて、右手で目元を覆った。俯いてしばらく黙り込んだ後、悪い、と小さい声で呟く。 「何に対して謝ってんのよ。あたし以外には言ってないってウソついたこと?」 「ちげーよ! ウソはついてねー……ついてねえけど、俺のせいで、そういう目に遭わせたわけだから」  一応謝ってみた、と言う南。  一応?一応ってなによ、全部は自分が悪いと思ってないわけ?全部アンタのせいに決まってんでしょ。アンタが蒔いたタネであたしが迷惑被ってんのよ。  バツの悪そうな顔をして視線を逸らしている南を睨む。 「……前に言ったでしょ。あたし、アンタみたいな軽い男がダイキライなの。そういう女がいる時点で信用出来ない。言葉で言われただけで、信用できるわけない」 「…………」 「もう嫌なの、アンタみたいな奴。関わりたくも無い」  そうハッキリ言うと南は、また傷ついたような顔をする。その顔やめてよ。なんであたしがヒドイこと言ったみたいになってんの?あたしは間違ったことなんて言ってない。言ってない。  南はしばらく黙り込んで、じっと足元を見た後、右手をジーンズのポケットに入れて携帯を取り出した。その行動を、じっと見つめる。南は一度、こっちを一瞥したあと、スライド式の携帯を動かして、親指で何か操作し始める。
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