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ぼんやりと目を開ける。
夕暮れに包まれた世界。
机の向こうで微笑む彼。
「よう。やっと起きたか」
顔を上げ、辺りを見回す。
時間軸は正常、私はまだ北高生。
「しかし、宇宙人製有機ヒューマノイド・インターフェースも居眠りするんだな」
部屋には私と彼だけ。
涼宮ハルヒ、古泉一樹、朝比奈みくるはいない。
「古泉も朝比奈さんも用事でさ、お前も寝てるんで今日は解散だとさ。起こすのもかわいそうなんで見ておけって、ハルヒがさ。」
彼女が解散を命じてからどれだけ彼は待っていてくれたのだろう。
私と彼、夕暮れの中、二人きりで。
「さて、これでやっと帰れるな。長門、鍵は頼んだぞ」
彼が伸びをして立ち上がる。
彼が行ってしまう。
彼が消えてしまう。
気づいたときには、彼の背中に抱きついていた。
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