第二話・―捻れた絆―

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 賑やかな、ネオンの光が眩しい繁華街を、大の男が二人して並んで歩いている。  一人はダークグレーの背広に白いシャツ、黒のネクタイをした、体育会系のがっちりとした体つきの青年で。  もう一人は幼い顔立ちが、どこか頼りなさ気な印象を醸し出す。  深いブラウンの上下に身を包み、濃紺のシャツとネクタイを締めた青年である。  がっちりとした青年の方は、名前を井原矜持(いはらきょうじ)と言い、所轄捜査一課の刑事でもある。  もう一人も同じ課に所属する、新野日向(にいのひなた)なのである。  ところで、何故二人が深夜にさしかかろうというこの時間帯に、繁華街を歩き回っているのかと言うと――。
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