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「おい、日向。取り敢えず何食うか決めろよ」
「煩いな、それを今決めている最中なんだろうが」
無視されてしまった事に腹を立てたのか、その肩を叩きながら尚も言うが、新野はそれをすげなく扱い、井原の手を振り払うと応える。
それで、ようやく諦めたように息を吐く井原に、背後から聞き覚えのある声がかかった。
「そこで何をしている」
「……え、って」
振り向くとそこには、黒髪を短くまとめ、鋭い瞳が印象的な、どちらかと言うと美形の部類に入る、そんな青年が咥え煙草をしながら立っていた。
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