宇宙馬鹿

宇宙馬鹿ができたわけ

　～沸き立つ真空（好奇心）～

［素粒子の世界では、真空でも「場」で満たされている、と考えられていて、おまけに「場」は振動している、そうです。その結果、なんと何もないところから素粒子が誕生するのです。必ず粒子と半粒子のペアで。この誕生を｛対生成｝といいます。］

　さて、めでたく（？）空に興味を持ったこの女の子。頭という「場」はあらゆる場所で振動しはじめました。

　ある夜の事です。

　家族でお寿司を食べに行く、という超レアな事件がおきました。回転寿司じゃないです。大将が握るお寿司です。
　大好きなハマチのお刺身がへんなおにぎりの上に乗っかっていて、そればかりを沢山たいらげてご満悦のお嬢ちゃん。上機嫌でお店を後にし、車に乗り込みました。このころ、お母さんは小さな弟といつも後ろに乗っていたので、助手席は彼女の指定席でした。

　車窓から外を眺めていて…

（あれ？…）

　すれ違う度に向こうに遠ざかる建物。みんなと心の中でバイバイしているのに、いつまでたってもバイバイしてくれない存在に気がついてしまったのです。

　…お月様がついてくる…

　車が止まればお月様も止まります。車が走り出せば、お月様もゆっくり、車のスピードがあがっても、ちゃんとついてくるお月様。

　彼女の頭の中に（？）という揺らぎがピークに達し、疑問という粒子が生成されました。

　それから、彼女は答え、という反粒子を探していこうとします。