Merry Christmas Mr.Lonely

8/10
前へ
/10ページ
次へ
 袋からカルボナーラを取り出す。  その時、袋から細長いモノがこぼれ落ちた。 「あ…フォークが…」  落ちたそれが何であったかそれをしかと見た訳ではないが、普通、コンビニでパスタを買えば付いてくるのはフォークだ。  なので俺はテーブルの下に転がったフォークを探した。  が、テーブルの下にフォークなど落ちていなかった。    その代わりに転がっていたのは、一膳の割り箸。    「…………………………」    声が出なかった。  身体がカタカタと震え出した。  それが寒さの所為でない事は、自分自身がよく知っている。  だって、目頭が熱い。    「…は……ははっ…」    誰に向けられたのか、思わず感情のこもらない笑いが零れる。  「あいつ…………」  声が滲んだのを感じた。目も霞んでる。 「やっべ…スゲーカッコ悪ぃ」    気がついたら俺、あいつに本気でありがとうって言った事ないや…。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加