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袋からカルボナーラを取り出す。
その時、袋から細長いモノがこぼれ落ちた。
「あ…フォークが…」
落ちたそれが何であったかそれをしかと見た訳ではないが、普通、コンビニでパスタを買えば付いてくるのはフォークだ。
なので俺はテーブルの下に転がったフォークを探した。
が、テーブルの下にフォークなど落ちていなかった。
その代わりに転がっていたのは、一膳の割り箸。
「…………………………」
声が出なかった。
身体がカタカタと震え出した。
それが寒さの所為でない事は、自分自身がよく知っている。
だって、目頭が熱い。
「…は……ははっ…」
誰に向けられたのか、思わず感情のこもらない笑いが零れる。
「あいつ…………」
声が滲んだのを感じた。目も霞んでる。
「やっべ…スゲーカッコ悪ぃ」
気がついたら俺、あいつに本気でありがとうって言った事ないや…。
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