太陽の泡沫

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太陽の泡沫

陽炎が表れた10m先 手を振る 君の笑顔 陽炎が消えた並木道 君を霞ませるものなんて ない 数ヶ月前は ここの桜を見に来た 「変わったね」と君は言うけど 僕にとって変わった事なんて ひとつもありゃしない ほら 立ち位置も 歩幅も そのまんまだから これかもずっと そうで在れたら良いと 想うんだ 陽炎が 惑わす10秒の未来 誓うよ 守り抜くって 炎天下 唄う 君の唄 僕の全ては そう 君 思い起こせば 数え切れないけど 思い出なんて要らない 「今の二人を続けたい」って ひとつの願いが ほら 立ち位置も 歩幅も 変えずにいる 今までずっと そうして来たから 願うんだ 大切な人に出会えた その喜びの唄 五線譜とペンを持って 造り続けて行きたい コトバなら たくさんある よくあるコトバかもしれないけど 陽炎が表れた10m先 手を振る 君の笑顔 陽炎が消えた並木道 君を霞ませるものなんて ない 陽炎が 惑わす10秒の未来 誓うよ 守り抜くって これからも 唄う 君の唄 僕の全ては そう 君 思えば幾つもの季節を見てきた つもりでいた 笑う君を見ていた 見るだけしか出来ていなくて やっと 気付いた 陽炎が表れた 10m先 手を振る君が 見えた気がした マボロシが消えた並木道 君を霞ませたのは 僕
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