あの場所を、

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  夏の夜に、抱かれて ひとり畦道歩きます ぬくぬくとした、空気に 眠ってしまえそうでした   夏の夜に、抱かれて 虫の声に耳を傾けます いのちを燃やす、その音に ひとすじ儚さ感じます   夏の夜は、暗くて 温かく湿っております 私がとうに忘れてしまった あの場所を思い出させます   帰りたいと願うのですが それは叶わぬ夢なのです 輪廻というものが、あることに 一縷の望みを託します   夏の夜に、抱かれて あの場所を思い返します 足りない分の母の愛を 記憶の中に、求めます  
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