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そこは白い空間だった。
置いてある家具、自分が着ている服、全てが白い。
色があるとしたら自分自身ぐらいのものだ。
白で統一された空間…
歩こうと思えば、10歩程度で回れてしまう。
ここには必要最低限の調度品しかない。
ベッドとイスと机が1つずつ。
外を見るための窓も、気をまぎらわすための本も存在しない。
少女はイスに座って白い壁を見つめることしか出来なかった。
気の狂いそうなこの空間で、
“外へ出たい”
少女は願った。
“外に出て陽の光や風を感じたい”
けれど少女は知っていた。
そう願うのと同時に、それを望まない自分がいる事を…
“出られなくてもいい、どうか世界が平和でありますように”
少女は願い続ける。
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