ペルム紀

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世界が終わる その日…… 太陽が昇るよりも早く 熱い光が地の底から吹き出す   それは…… 全ての命を食い尽くす終焉の炎 紅蓮の大波となって 何もかも消し去る   陸は立ち上がり 緑の地平線は崩れていく 振り向き呼んでみても ……誰も返してはくれない   遥かに霞む月を眺めながら 爬王たちは互いを食い合う 胸に牙を突き立て 喉に爪を走らせて 陸も海も、紅に染め上げる……   山から火柱が上がる まるで、全ての憎しみを打ち消すかのように   もう、何もない 木も、獣も、そして君も……   ねえ、どうして? 生まれた時代が違ったのなら 壊れてくボクたちの地球(ほし)を 見ないまま死んでいけるのに   焼け焦げた森に、ただ独り 幼獣(おさなご)の叫びは 暁の宇宙(そら)の彼方へと消える   小さな星で、ひとつの世界が終わったimage=50624591.jpg
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