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灰色の夢
描き出す夢は
いつも歪だった
描き直してみれば
余計霞んでしまう
かたづかない部屋に
差し込む夕陽が照らす
灰色に色褪せた
遠き日の自分
幼いその顔は
何よりも眩しい
描きたかった夢は
そんな自分自身だった
咲き誇る花のような
あの日の自分
羽化を始めた蛹のような
昨日の自分
親とはぐれ子猫のような
今日の自分
星が死んだような
明日の自分
どれにも魅力がないなんて
言わせない
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