月に慰めてもらえなかった自分へ

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月に慰めてもらえなかった自分へ

  痛みの数だけ涙を流す 独りの夜ほど切なく消える 行き場のないその想いを 月はただ見ているだけで 妬みの数だけ弱音を吐く 抑える感情ほど脆く散る 傷物になったこの心を 月はただ笑うだけで 渇いた切なさに手を出して 少し指を切った 自嘲癖の後ろに 隠したい自分の弱さ 過去の自分ほど 今の自分を応援してくれる人は いないはずだった 夜風の冷たさも 感じなくなり始めて ひかりは空にあるのに 自分の周りの方が明るくて 慰めてもらえない訳だよ 優しさってやつを 自分にもくれる人が いるじゃないか   解らない振りを 続けることが今の弱さ   そんな自分を 責めないことが今の強さ  
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