触れたくて……

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それは、剣道部の試合前日だった。 奏乃から電話があった。 『京央さん、明日剣道部の試合ですね!!』 「うん。そうだけど何で知ってるの?」 『あれ?聞いてませんか?明日の試合、女子の剣道部はうちの学校で試合なんですよ』 「ああ……」 なるほど、奏乃は私立の、しかも女子校に通っているらしい。 『応援行きますね』 「授業は?」 『全然大丈夫です。明日は私、3時間授業ですから』 本当に嬉しそうな声が電話越しにもわかる。 『じゃあ、また明日』 「ああ……うん」 電話が切れた。 「ふぅ……」 集中しよう。 明日の試合に。
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