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彼の心を奪ったのは、二つ程年上の女性。
彼女は蝶よりたった“二年”多く生きているだけだが、いろいろな事を教えてくれた。
自分とは全く正反対の境遇の中生きてきた彼女。
どんな辛いことにも屈しない、むしろプラスにしてしまう。
その芯の強さ、やさしい心に、今まで感じた事のないような淡い気持ちを抱いたのだ。
――けれど、彼女を諦めなければいけない理由があった。
なぜなら彼女、二宮 真織は、蝶のこの世で最も尊敬する、黒澤家長男、黒澤 緒凛の事を思っている。
もちろん、緒凛も同じ気持ちでいる。お互いの気持ちにはまだ気付いていないようだけど。
二人の絆を確認してきた蝶は、応援する事を心に決めたのだ。
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