第二話

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夏の日差しと青い海、水着ギャルとそれに囲まれてオロオロしてる白い猫。 笑顔で見捨てる黒い猫。 水を恐がる緑猫、そしてナンパされてる旅館の主。 海水浴場に来たはいいのだが、どうやら肉食系女子に捕まっているようだ。 「ねぇ君どっから来たの~?」 「目茶苦茶カワイー」 「お姉さんと遊ばな~い?」 「わ~!この耳よくできてるね~」 珊は女子大生約6人に囲まれ、耳やら顔やらペタペタ触られていた。 そんな状況を尻目に、緑立は海から自力で這い上がるとパラソルの下で缶ジュースを飲む珀と並んで立っていた。 「相変わらずもててんなあいつ」 「珀、自分がもてないから拗ねてる…」 「ケッ、女なんて元から嫌いだキャーキャーるせーかんな」 「素直じゃないな珀…」 珀「じゃあオマエはどーなんだよ緑立?」 「ん~普通…」 「何だよ普通って」 そんな会話をしていた矢先、こちらに向かってドドドと地響きを鳴らしながら走ってくる影が7つ…。 「珀~たーすーけーてー!」 珊はなんと女子大生の包囲網から逃げ出し、こちらに走り寄って来ている。例の6人はそんな刪を取って食おうという勢いでその後ろから追いかけてきていた。 「生け贄…」 そう呟くと緑立は珀の背中を蹴り飛ばし、一人修羅場から脱兎の如く逃げ出した。 「っあ?!」 珀は勢い良く倒れ込んだ。そう、女子大生の群れの中に。 「つ…たた…」 「何この子カワイー」
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