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「ねぇもう一人カワイーの居たわよ~!」
「わ~じゃあ二匹(?)お持ち帰りけってーい」
「いやーあぁぁぁぁぁぁ!?」
珊と珀は女子大生達に抱えられ、何処かへと連れていかれてしまった。その光景を見た通りすがりの男性の話では、まるで狩に勝利したアマゾネスのようだったと語っている。
「ん?今珀さんと珊さんの断末魔のような叫びが聞こえたような」
「気のせい気のせい青春エンジョイしてんだよきっと…」
そんな狩場からの脱出に成功した緑立は、黒子が勝手に出したかき氷の屋台裏で店の物を食べている。
「ところで緑立さん泳がないんですか?」
「……泳げないから」
「でも去年滅茶苦茶泳いで…」
「…黙れ黒衣装」
食べ終わった容器を黒子の頭にペイっと投げつけ、緑立は体育座りで悪態をついた。
「抱き締めていい?」
黒子はそう言うと唐突に両手を広げ、カモン緑立君カモン!と言いながら見つめていた。
緑立はそこで黙ったままプイッとそっぽをむいてしまったようだ。
「つれないですね~。おや?あれは」
黒子が冗談を終わらせかき氷の販売を再開した丁度その時である、目線の先にそれは確かに居た。一人は楽しそうにはしゃいで居り、もう一人は不機嫌そうな顔をして居り、その不機嫌そうな顔をしている者を頑張ってなだめているのが一人居り、そして退屈そうに欠伸をして居るのが一人居た。
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