第一話

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「ねぇねぇ珀~?」 「あ?なんだよ珊?」 「また攸夜更かししたのかなぁ~?」 「さぁ?」 「あ~単発発言禁止~」 珊はにゃはっと笑いながらそういった。 どうやら完全に黒子への怒りは飛んでいったらしい。 「ああん?」 珀はそんな珊を見て、呆れたような不機嫌そうな顔をした。 「怒った?」 「怒ってねぇ!」 「いや怒ってるっしょ?」 「怒ってねぇったら怒ってねぇ!」 「ふ~ん?」 珊はちょい怒鳴り気味な珀を眺めるように、両腕を後ろに廻しニヤニヤしながら周りを歩いている。 「…なんだよ?」 「べっつに~♪」 そして二人の沈黙が1分程続いた。 「さ~て、攸の布団潜って僕も寝よ」 そう言って珊はトコトコと攸の居る部屋へ歩いて行く。 「ガキ…さて、客来る迄掃除掃除」 それから時は過ぎ大体16時前後となった頃であろうか、攸という名の旅館の主である青年は目が覚めたようだ。 「ん?何だこの白いのは…」 布団の中には刪が潜り込んでいた。 「…寝よ」 「寝るなー!」 攸が二度寝をしようとしたその時である、珀が襖をスパーンと開けた。 「ん?珀か、どうした騒々しい」 「どうしたもこうしたもじゃねぇ!いつ迄寝てんだよ!」 「ふむ、あと五時間」
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