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置き去りにされ、まだ4月の寒い時期の廊下はとても冷たく、靴下越しでもそれは感じられた。
もうダメだと思った矢先、一人の怪しい人物がそこを通りかかったのである。そう、黒子だ。
「あ…あの~此処の従業員さんですか?」
恐る恐る声を掛けてみると、黒装束の人物は「はいそうですよ」と答えてくれた。事情を説明すると、黒子は客間まで案内してくれた。
「あぁ、珊君ですか案内したの」
「はい」
「いやはや、相変わらずですねあの子も」
「助かりました。あのまま一人取り残されるとこでした。所で貴方のお名前は…」
「私ですか?黒子と申します。此処の裏方の仕事を任されてるしがない一般人です」
「あぁそうなのですか!助けて頂きありがとうございます」
「いえいえ、ではまた後ほど」
黒子はそう告げると足早に部屋から出ていき、攸の部屋へと向かった。
「どうだった黒子よ」
部屋では攸が煙草を吸いながら待っていた。
「今のところ怪しい動きはないですね」
「そうか、では引き続きあの者の監視を頼む」
「了解しました」
そんな内容の会話を二人がしていた頃、客間では怪しい動きをしている者がそこにいた。
「さて、そろそろ連絡を」
客はおもむろに携帯を取り出すと誰かに電話をかけ始める。
「もしもし潜入成功しました」
「よし、よくやった。そのまま客を装えよ」
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