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『一緒に寝よう』 半分開けられた布団に、入る事を促すタオルケット。 滅相もございません。 離れていても、こんなに音を立てる心臓。 それが隣だなんて… 男と手を繋いだ事もないのに。 あたしの心臓は朝まで持ちません。 無言で開けられたままの布団と しっかり見つめる瞳。 “嫌”とは言えない雰囲気に覚悟を決め布団へと入った。 向けられた背中を見つめながら、“こっちを向いて”と願う自分。 ふと動いた体に慌てて目蓋を閉じた。 どちらのか分からない鼓動 温かいぬくもり 静かに響く呼吸音 いつの間にか深い眠りについていた。
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