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『綾乃…大丈夫?』 亮介くんの体の後ろから顔を出した藍。 いや。 言葉と表情が見事にマッチしていない。 『トイレ…』 『頑張れ!』 何を?我慢する事?漏らす事? 藍の顔と並んだ哀原くんと三好くんの顔。 だけどその顔は実に楽しそうで… 汚しても文句言うなよ。 開き直りの心が生まれてしまった。 人の体とは不思議なモノ。 ピークを過ぎると、その次に待っているのは下降のみ。 汚してもいいと言う勝手な解釈に気持ちも楽になり、改めて自分の置かれている状況を考えた。 初めて触れる男の体。 細身だと思っていたのに、意外にある筋肉。 温かな体温は安心感を与えてくれる。 規制正しく上下する体。 長い睫毛に整った眉。 薄い唇は思わず触れてみたくなった。 キスって、どんな感じなのだろうか? あの唇は、どんな愛の言葉を囁くのだろうか? あたしは… 変態か?
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