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妊娠に気付いた時には。
あの街を離れた後だった。
父親は大反対した。
父親の分からない子供…
だけど…
堕ろすことなんて出来なかった。
愛した人の子かも知れない…
ただそれだけの願いを込めての父親との冷戦の日々。
負けたのは。
父親だった。
でも…
『優介!お土産だ~』
優介を一番可愛がってくれるのも、父親。
寡黙で、いつも仏頂面だった父親は。
年中締まりのない顔になってしまった。
『じぃじ』
愛する孫にそう言われれば、人は変わるのかもしれない…
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