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建物に邪魔されてばかりの空。
窮屈そうにひしめきあう、天空の星。
今この夜に、私の命も闇に紛れて消えていく。
どんな感情も、この冷たい北風に抱かれて。
「この人生は、幸せだったか…?」
記憶のものよりずっと低い…でも、優しい声音はそのまま。
瞳だけで愛しい人を抱きしめるように、瞼をゆるゆると落として。
『最期』の視界に、終止符を打つ。
言ってなんかやらない。
あんたが好きだったんだよ。
あんたを彼氏に仕立て上げた挙げ句、あれこれ勝手に妄想してたなんて、口が裂けたって言えるもんか。
「未練は…あるけど…」
深く、息を吐き出す。
「――――――――――――」
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