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ふ、あぁッ…………
眠い。かなり眠い。
春の日の穏やかな日だまり
さわさわとそよぐ風が心地良い
一面青々と生い茂る芝生に寝転び空を仰ぐ
澄み渡る青空に吸い込まれそうになる意識
んぅ~……駄目。眠い
「朔夜、おい朔夜起きろ」
意識を手放す寸前、名前を呼ばれてゆさゆさと身体を揺すられる
「ん……なに、誰」
気持ち良く眠りにつこうとしてた俺は途中で起こされて機嫌が悪い
「お前なぁ、こんな所で寝るなよ。いくら暖かいからって、風邪ひくぞ」
聞き慣れた落ち着いた声
重い瞼を開けて、視界に映り込んだのは、陽の光に透けて輝くハニーブラウンの髪
「洸……」
紅茶色の甘い瞳が微笑む
「ほら、起きろ朔夜」
洸の手を掴み起き上がる
まだ眠くて頭がぼーっとするな
「大丈夫か?」
「……ん。たぶん」
「多分じゃない、目を覚ませ。スーツで芝生に寝転ぶ馬鹿がいるか」
「……ん、俺?」
「ハァッ……そうだよ。お前だお前。馬鹿」
失礼な奴だな。
馬鹿、馬鹿って…………
さっきから俺を馬鹿呼ばわりしてるコイツは田嶋洸(タジマコウ)
高校ん時からの親友。
天然物の茶髪に茶色い瞳
甘いマスクで女にモテる。
けど、女は皆甘い優しい笑顔で、コイツに騙されてる!コイツは本当は性格が黒い!腹黒、真っ黒だ!!
でも、面倒見はいい奴で高校ん時から何かと俺の相談に乗ったりしてくれてる。
そこは、まぁ感謝してる。かな
チラ、と見れば相変わらず微笑んでいる。まぁ俺にしたら天使の仮面を被った悪魔にしか見えないけどな…………
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