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学校を飛び出し疾走する。
身体が軽い。
いつもの帰り道。
疾駆。
家までの距離が普段より長く感じられる。
家が見えた。先に帰っていた妹が手を振って迎えてくれた。
「遅ーい。お兄ちゃん」
「アンドロイド、届いたか?」
荒い息をつく。
「ふふふ…早く家に入ろうよ」
「届いたんだ!!勿体ぶるなよ」
「さぁ、入った入った」
妹に背を押されて玄関に入ると…
そこには一見して棺桶と見紛う箱が置いて在り、側には母とこの日の為に会社を休んだ父が笑顔で僕らを待っていた。
「さぁ、居間に運ぶぞ」
父の言葉は僕に向けられたものである。
長方形の箱の片側を持つ。
意外にそれは軽く、苦もなく居間に収まった。
「いよいよだね…アンドロイド」
「うん…」
妹も僕も興奮を抑えきれない。
父が威厳を示すが如く箱を開けていく
…箱が開いた。中には…
メイド服を着た見た目には人間と変わらぬアンドロイドが横たわっていた。
その時だ。
アンドロイドが自動的に動き出した。立ち上がるアンドロイド。
呆然と見守る僕達家族…
その時、アンドロイドが一声を発した。
「不良品を回収…回収します」
ニッコリと笑い、アンドロイドは僕達を見渡した。
…こいつは何を言っているんだろうか?…
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