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傘の尖端がアンドロイドをスムーズに貫いた。
動きを止めるアンドロイド…やったか?
だがアンドロイドは笑顔を浮かべ、突き刺さった傘を意に介さず動き出した。
「不良品は回収します」
腕を伸ばし迫り来る。
恐怖で泣き崩れる妹の腕を取り強引に引き摺る。
二階に逃げよう。
妹を強引に立たせて肩を抱き二階に上がる。
決して速い速度ではなかったが、アンドロイドより速く二階の僕の部屋に逃げ込む事が出来た。
素早く鍵をかけ、机を扉の前に移動させる。これで大丈夫か?
相変わらず妹は呆然と…否、様子がおかしい。
「不良品…不良品…私は不良品…」
そう呟き続けている。
「しっかりしろよ!!」
妹の頬を叩く…その途端、妹の身体が崩れ落ちた。
えっ!?呼吸をしていない…胸に耳をあてる…心臓が止まっている…何故だ!?
訳が解らない。その時、扉が乱暴に動いた。
「無駄な事はやめなさい。もう解ったでしょう」
アンドロイドの声が響く。
何を解れと言うのか?
その瞬間にも扉は破られ様としている。どうする?
窓に手をかけるが、ここも開かない。
迷っている暇はない。助走をつけ窓を破り外に落下するのとアンドロイドが部屋に入って来たのは同時だった。
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