『始まりは』

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「ね、風間さんって、俺と話した事ないよね?」 「・・・ないね」 姿は、よく目にするけど。 「俺もたぶん、今日初めて、風間さんと喋ったよ。うわっ、なんか新鮮な気しない?」 ・・・特に。 私はまた、曖昧に返事をする。 すると、突然。 「・・・あっ、ヤベ!」 早瀬君は、いきなり立ち上がり、鞄をつかむ。 「俺、塾あるんだった!ごめん!帰るわ!」 「うん」 早瀬君は、慌ただしい足音を響かせながら、教室から出て行った。 ・・・・・・・・・・・・・・・・。 やっと静かになり、私も帰り支度を始めようとした。 その時。 バタバタと凄まじい勢いの音が、耳に入り。 「風間さん!」 早瀬君が、再び戻って来た。 「!?・・・な、何?」 私はびっくりして、彼を見た。
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