『始まりは』

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早瀬君は言った。 「俺の机ン中に、携帯ない!?」 私はとっさに、彼の机の中を覗く。 あった。 「あるよ」 「投げて!」 私は携帯をつかみ、彼の広げられた手の平へ、投げ込んだ。 携帯は、パシッと軽快な音をたて、うまい具合にキャッチされた。 「マジ助かった!ありがと!」 と、早瀬君は私に礼を叫び、また走り去った。 今度こそ、静寂を取り戻した教室で、私は息をついた。 それからだった。 彼、早瀬 晃君が。 クラスで人気ナンバー1の男の子が。 私に接し始めたのは。
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