『小さな穴』

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それから。 彼、早瀬 晃 君は、私の姿を見つけては、よく話しかけてくるようになった。 「おはよ。風間さん」 早瀬君の怪我から翌日。 早瀬君は私の席に来て、にこやかに挨拶をした。 「・・・・おはよう」 私も、とりあえず、挨拶を返す。 周りの女の子たちの視線が、こちらに集中し始めた。 そんな事を気にもかけず、彼は続けた。 「昨日は、本当にありがとう。マジ助かった」 「いいよ・・・怪我は、大丈夫?」 私の質問に、彼は自分の唇に指先を当て。 「O・Kー」 茶目っ気に言った。 その彼の姿に、女の子たちはキャーキャーと、歓声。 「ねー、今の見た!?」 「チョー可愛いくない?」 ひそひそ声だったはずが、丸聞こえだ。 ・・・よっぽど嬉しいんだな。
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