『始まりは』

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『彼』と出会ったのは、まだ私が高校生の頃。 『彼』は、同じクラスに居た男子。 よく言う、クラスメートというもの。 私にとって、『彼』は、それだけの存在だった。 「ねぇ、玲」 その日。 私は、教室の中で友達と話に興じていた。 そんな中で、名を呼ばれた。 「何?」 「あれ見てよ!」 友達は何やら、興奮しながら、窓の外を指差す。 そこからはちょうど、校庭が窺える場所でもあった。 「どうかしたの?」 私も気になって、側に寄る。 友達は、嬉しそうな声で、「ほら!」と外を見るよう、促した。
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