『始まりは』

3/13
前へ
/182ページ
次へ
「・・・・?」 校庭のグラウンドを見下ろすと、そこでは、何名かの男子生徒が、サッカーをしていた。 全員、制服の上着を脱ぎ、シャツ1枚になって、ボールを蹴り、プレーしている。 で。 「・・・あれが、どうしたの?」 私の問いに、友達は。 「もー!ちゃんと見てよ。ほら!」 友達は人差し指を、コツンと窓ガラスにぶつけ、プレーしている男子生徒の1人を示した。 「早瀬君だよ!」 【早瀬君】 【早瀬 晃君】 それが、『彼』の名前だった。 その【早瀬君】が、ボールを追い、走り回る姿を、友達・・・だけじゃなく、何名ものクラスメート(女の子)が観戦していた。 早瀬君が、サッカー部顔負けのプレーを見せると、いよいよ、女の子たちの黄色い歓声が上がる。 「きゃー!マジ、カッコいいー!!」 「さすが早瀬君だよね!」 「あたし、超ファンなんだけど!!」 ・・・なんて、彼を褒め称える声が鳴り止まない。
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加