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今までの記憶全てが私が見ていた夢だったの?
彼の存在そのものが私の中の妄想だった…?
ずっと待ち続けていた私は愚か者に他なら無かった?
あの楽しかった思い出をずっと大切にしてきてきた私は…どんなに、
どんなに馬鹿げていたの…?
だって彼は覚えていない。
彼が私を覚えていなければ意味がない。
ずっと、待ってたのに。
貴男の言葉を信じて待っていたのに。
貴男との思い出に浸る瞬間だけが私の胸を熱くさせたのに。
それさえも私から奪っていくのですか?
「魁斗君…っ」
何年もの間我慢していたものが零れ落ちた。
ひとつの雫となって
「うそつき…」
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