東の虎Ⅰ

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俺は独りでいい。 ボールを捕球しさえしてくれる奴がいたらそれでいい。 勝ち負けとか関係ない。 チームメイトとか、チームワークとか友情とかそんなものは要らない。 必要ないだろう?  ボールを投げるのに。 ずっと俺はそれで良いと思っていた。 なのに……どうしてだ? あいつは仲間とか友情とか、曖昧な関係を信じている。 そして俺を正面から見つめていた。 分からなかった。 負けると感じるまで。 あの場所で初めて俺は勝ちたいと思ったんだ。
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