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母の啜り泣く声と、父の様子が、冗談じゃない事をものがたっている。 「延命処置をすれば、もっと長く……」と医師は続けた。 延命処置? 治療じゃないのか。 本当に助からないんだな。 何故か冷静に聞いている僕。 でも、医師の話しは聞こえず、ほとんど、記憶がなかった。 ただ母の「ごめんね」と言う泣き声と父の手の温もりだけが、僕の意識を繋ぎ止めていた。
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