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昨日(夢)の事のせいか光は近付いて来た砂羅から少し上半身をのけぞって離れる。
「? 神無月君どうしたの?」
「いや、別に……。」
「光、お前何やってんだyou?」
「なっ、何でもねーよ。」
光は二人の目から逃れるように体ごと窓に向けた。
「そういえbaa一昨日の修学旅行の写真が出来てるんだが……。」
修学旅行の……写真……?
「それだ……。」
光は昇が持っている写真の入った紙袋を奪い取った。
「欲しいのがあれば焼き増しして……って光なにすんだyou!」
昇の言葉を無視して光は修学旅行の写真を一つ一つ見た。
京都、奈良に行った時に寛介と二人で五重塔の前でふざけて撮った写真、何度も写真に写ろうとして失敗続きの寛介が哀れでお互い肩を組んで撮った数少ない貴重な写真を探した。
「……なんだよ、これ……。」
そこにあったのは居るべき寛介がいなく、虚空に腕を伸ばしている光の写真があった。
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