マジ怖い話💦

ノコギリ

ある男がビデオを借りようとビデオ屋にいた。

特に目新しいものはなく、何も借りずに店を出ようとした。

が、あるビデオが男の目に止まった。

｢ノコギリ｣

カバーのない剥き出しのテープに題名の書いてあるラベルだけが貼ってある。

それも手書きである。

男は妙なビデオに興味を持ち、借りることにした。

家に帰り、ビデオデッキにテープを入れる。

始まった……

何の前触れもなく始まる。

ノコギリを持った男が林の中を走っている。

ボロボロの服を着、右手にノコギリ……

そして無表情だ。

走る。ただ走る。

10分、20分、30分。
場面は変わらず、ノコギリを持った男が無表情で走っているだけだ。

男は退屈になり、ビデオを止めようとした。

が、突然場面が変わった。
林を抜け、今度は町中を走っている。

そして住宅街に入り、一軒の家の前で立ち止まった。

そしてノコギリを持った男が家の門柱を切り始めた。

凄まじいスピードで。

男はしばらくビデオを見ていた。

が、何かを感じた。

そして気づく。

｢これは俺の家だ。｣

男は窓から外を見た。

ノコギリを持った男が門柱をノコギリで切っている。

男は止まる様をノコギリを持った門柱に向かって叫んだ。

が、ノコギリを持った男はやめる様子はない。

男は考えた、ビデオをとめればいいではないか、と。

ビデオデッキの停止ボタンを押す。

そして外を見る

ノコギリを持っていた男は消えていた。

外に出て門柱を見る。

半分ほど切られている。

門柱の側にはノコギリが落ちでいた。