偶然

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  ………!!!!!!     間違いなく目が合った!     その視線の相手は、斜め向かいにある長椅子に座ってる人だった。     …水島祐。     私は目があった瞬間、つい反射的に目をそらしてしまった。     …間違いなく水島君も私と目が合い、瞬間、視線をそらされたのに気付いただろう。     …気まずい。視線の先の人が水島君だった事もだが、何より咄嗟とはいえ、露骨に無視してしまった事が一番気まずい。     まだこっちを見てるのが何となくわかった。もう、バレバレでも仕方なかった。私は全く読む気のない本を取りだし、気付かなかった事にしようと、精一杯知らないフリをした。  
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