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真っすぐに視線を捉えることができなくて、顔を伏せる。 ――だって、俺は誰にも言えなかった。 否定されるのが怖かったんだ。 「別に。てか俺も浜田と付き合ってるし」 「そっか…………ってえぇえ!?」 アクビを噛み殺しつつさらりと吐かれた泉の台詞に、俺は勢いよく顔を上げた。 そんな、『昨日の晩飯肉じゃがだったんだ』的な軽いノリで言ったよこの子! 口をぱくぱくさせている俺に、泉は、まあそーゆうこと、なんて言いながら笑った。
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