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「ギャハハハ!なにやってんの水谷~」
「うう……」
軽快に横を通り過ぎた田島に笑われて、俺は本気で泣きたくなった。
最悪だ。
「大丈夫??」
え。
ふ、と暗くなった頭上に俯けていた顔をあげると、すぐ目の前には色素の薄い大きな瞳。
瞬きする余裕もなく、心臓が大きく跳ねた。
「さっ、かえぐち」
ヤバ、声裏返った。
ドギマギと視線を逸らす俺を他所に、栄口は涼しい顔で俺のユニホームに付いた泥をはたいていく。
「もー、ハシャギすぎなんだよ。お前は」
呆れたように笑う栄口。
そんな笑顔にさえ、俺の鼓動は情けないくらいに高鳴って。
ちょ、ヤバイって。
そんなに触られたら心臓の音が……。
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