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「水谷?」 唇を噛んで俯けば、覗きこんでくる栄口の顔がすぐそばにあって。 その瞬間、俺の脳裏に浮かぶ数日前の光景。 巣山と、栄口は―――。 「触ん、なっ」 びくり、と栄口の肩が大きく揺れる。 「……あ」 ……やってしまった。 栄口の手の平を払いのけてしまったのだと自覚した瞬間、目の前の大きな瞳が傷ついたように揺れた。 「ごめ、んっ俺、余計なお世話だったよなっ」 「ちがっ……」
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