〓蛍のヒカリ〓

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 さすがに病院に着くと、不安がより一層増してきた。  普通の妊婦さんなら、私みたいに不安よりも期待の方が大きいのだろうけど――。  私は妊娠していながらもタバコを止められずにいる。  お腹の子に悪影響が及んでいなければ良いのだけれど。  車から下り、ゆっくりと病院内へと向かうが、その足取りが重い。  これは妊娠しているからという訳ではなく、恐らく不安が重くのしかかっているからなんだと思う。  進もうとしても、一歩一歩がまるで足に重りを付けられているかのように重たく、そして小刻みに震える。  自分の体なのに、自分の体ではないようだ。  息を乱しながらも、やっとの思いで病院の中に入った。  待ち時間などほとんどなく、検診の部屋へとすぐに誘導された。  まだ心の準備が出来てないのに……。  そんな私の不安をよそに、検診が始まった。  言われるがまま、されるがままに検診を受ける。  私自身、今現在の赤ちゃんの映像やデータを見ても、私には今の状況がイマイチ分からなかった。  お医者さんのあの言葉を聞くまでは――。  
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