事の発端

4/4
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
そんな状態で、おせっかい焼きの私が、じっとしていられるはずもなかった。 私は、友達へ言った。 「待合室のトピを作れ。クライアントが待っている間の相槌くらいなら、私が対応する」 同時に、参加可能人数の上限を下げるようにも言った。 けれど、事態は私の考えとは全く違う方向へと向かってしまった。 私はいつの間にか、カウンセラーの役割をすることになって、参加可能人数の上限は下げられるはずが、次々に新しいクライアントが入ってきた。 「私はカウンセラーじゃない。専門知識も資格もない」 友達には、何度かそう言った。 だって、本当のこと。 私はただの病人。 自分がカウンセリングを受けたことすらない。 けれど、友達が自分のキャパシティを越えた依頼を受け続けているのも、見ていられなかった。 困っているのは、自業自得。 わかっていた。頭では。 「せめてカウンセラーという肩書きをつけるのは、やめてくれ」 肩書きは、『相談員』になった。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!