相談員

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私には、共依存の傾向があると、友達には言った。 だから、不安であると。 「依存なんて大なり小なり誰にでもあるんだよ。タバコとか、お酒、スロット……」 友達が言ったその言葉に、私は心から安堵した。 だって、共依存の怖さを知っていたから。 自分の全てを投げ出してまで、依存した相手に尽くしてしまうんだよ。 いつだって、そうなるのが怖かった。 だから自分で、一生懸命セーブをかけていた。 だけど友達のその言葉で、私はそれを止めてしまった。 「共依存なんて、そんなに気にしなくていいんだぁ」 友達に、悪気はなかった。 当たり前。 友達は、私の共依存の程度を正確に把握していないから。 私が、一生懸命セーブしている姿しか見ていないから。 問題視するほどのことではないと、思ったのだと思う。 後に、ストッパーを外してしまった私は、わずかに残る理性と、制御できない共依存との葛藤に、酷く苦しむこととなる。
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